忘らるる

 

ふと思い出して、胸がきゅーっとなる事がある。

多分だけど皆そう。

 

ばあちゃんの混ぜまんま、じいちゃんの笑った顔、親の何気ない言葉、先生の心無い言葉、初じめて恋をした瞬間、初めてのデート、敗れた恋、一緒に見た花火

 

 

どうして、今までずっと忘れていたのに、ふとした時に思い出すんだろうなぁ。

どうして、後悔しかできない夜があるんだろうなぁ。

どうして、僕は、

 

 

思い出すのはきっと、多分きっと、今の僕にそれらが足りていないからなのだろう。

 

思い出の中から、自分に足りていないものを掘り出して、満たされようとしているのかな。

 

 

だとしたら、脳みその馬鹿。

 

でも、思い出させてくれてありがとう。

 

 

 

どうして"ふと"思い出すのか、ということに関して調べようとはしなかった。

 

読んだ記事をすっかり信じて、それ以外受け入れなくなってしまうのが嫌だった。

それにもし、医学的に明かされていたとして(されてたらすいません)、その内容が現実的なもので

納得せざるを得ない内容だったら嫌だもの。

というかそれが研究者のすることなのだろうけど。だからこそ、嫌だった。

 

 

心とか、思い出とかは、ファンタジー的なそういう類のものであって欲しい。せめて僕の中だけでは。

 

 

 

僕も誰かの記憶の中で生きているのかな。

 

ふと思い出されたりするのかな。

 

というか、そうであって欲しい。

 

 

覚えてる?あの日の事。

 

 

 

 

 

おやすみなんちゃら

 

五十嵐健宏