とわに

 

永遠なんてない。

 

誰かが言っていた気がする。

 

永遠なんてないんだ。

わかってるよ。

 

どんな物事にも始まりと終わりがあって、だいたいの事はいつ終わりが来るのかわからない。

 

僕は終わりとか別れが大嫌い。

と同時に、怖い。

今まで何度も終わりを見たし、何度もお別れをした。

その度に自分もいつかって怖くなる。

 

哀しいかな全ての物事に限りがある。

 

この命にも終わりがある。

 

 

でもこれは主観をどこに置くかで変わるものだと、僕は思うようにしている。

都合がいいかもしれないけれど、都合よく考えられることは都合よく考えないと生きづらいのよ。

 

 

世界から見たら、あるいは他人から見たら、

間違いなく僕も有限、いつか終わるし歴史的な何かを残さなければいつか忘れられる。

 

でも僕から見たらどうだろう。

もちろん不死身なわけないからいつかは終わるんだけども、でも僕が死ぬその時までは、僕の世界は続く。

それならば、僕のこの世界の中で、それだけでいいから。

なんてことを思う。わがままですね。

 

ところでさ、

 

あの約束覚えてる?

僕は覚えているよ。

いつか果たしに行くから待っててよ。

あの日の事覚えてる?

僕は覚えているよ。

また馬鹿みたいに笑い話しようよ。

あの日行ったあの場所覚えてる?

僕は覚えているよ。

また行こうよ。

 

そうやって僕自身に刻む。点を落とす。

一つ一つ、大事にする。

 

 

永遠なんてない。

わかってるよ。それでも

 

全てに限りがあるこの世界で、僕は祈る。

 

大切な人達よ、愛おしい思い出よ、心の灯火よ。

どうか、永遠に。

 

 

五十嵐健宏